顕太郎の説明する
臨床検査って何?

 俺は顕微鏡の顕太郎。臨床検査技師って知ってるか?
総合病院クラスにはたいてい数人〜数十人棲息する人種だ。
 臨床『検査』の名のとうり、この検査技師って奴は、
病院で検査の仕事をしている。
「あーレントゲンとかとる人ね」
 だって? ばかやろう! それは放射線技師だ!
今、俺は臨・床・検・査・技・師について説明しているんだ!
臨床検査技師とは、主に血液検査、病理検査、微生物検査、
心電図、脳波、超音波、呼吸機能検査などを行う。
「えー、それって看護婦さんがやるんじゃないのぉ〜?」
 だと? まあ、看護婦が行うこともあるかもしれないが、
大半は検査技師だろうな。
 もっとも、現在は検査業務が委託または外注化して
病院内部で検査することも少なくなってきているから
分からないのも仕方がないかもしれないな。
 ほら、春の健康診断なんかで会社に検診車のバスが来て
血液検査や尿検査したり心電図をとる白衣をきた
妖しげな奴らがいるだろ? あれも臨床検査技師である確立が高い。
来年の春になったら「臨床検査技師さんですか?」
と聞いてみてくれ。聞くのはタダだ。
 ついでに顕微鏡の顕太郎はイイ男だとアピールもしておいてくれ!


じゃあ次に検査技師の主な仕事について紹介しよう。
臨床検査の仕事はいくつかに分類されるんだ。



血液検査 血液検査は主に血算検査と凝固検査に分かれる。
血算検査は赤血球、白血球、血小板等の数を数える検査だ。
よく「貧血」という言葉を耳にすると思うが、血算検査の中の
血色素「ヘモグロビン」によって貧血かどうかがわかるんだ。
凝固検査は血液の止まり具合を調べる検査だな。
俺が今やっているのは白血球の分画を分類する仕事。
くわしくは顕微鏡の顕太郎を参考にしてくれ!
生化学検査 コレステロール、血糖、中性脂肪、電解質などの化学的成分を
分析する検査。血液を採血したら遠心分離機で、血球成分と
血清成分に分離した後検査を行う。
くわしくは遠心分離機の遠子を参考にしてくれ!
免疫血清検査 免疫血清検査では、抗原抗体反応の検査が主だ。
B型、C型肝炎ウイルス、梅毒、HIVなどの感染症の検査や
膠原病(自己免疫疾患)の抗体検査なんかを行うところだ。

恒温水槽の恒子さんはここの検査室の恒温水槽がモデルだ!
微生物検査 細菌や真菌の検査をするところだ。記憶に新しいO−157の検査
なんかもこの分野で行う。採取材料は幅広く、尿、便、血液、
咽頭ぬぐい液、その他もろもろ。採取した検体にどんな菌が
いるのか調べるところだ。菌を培地と呼ばれる栄養分たっぷりの
寒天に植えて、37℃でぬくぬく育てて菌の種類を同定する検査だ。
病理検査 手術などで採取した腫瘍の組織をどんな顔つきかに分類する検査だ。
組織を顕微鏡で見るために標本をつくる仕事も行う。
尿検査 尿の中のたんぱく質、糖、比重などを検査する仕事だ。
尿を2000rpm/1分で遠心して、試験管の底に沈んだ「尿沈査」からも
尿管や膀胱などの状態がわかるんだ。
輸血検査 ABO式血液型、Rh式血液型の検査。
または輸血のための交差適合試験(クロスマッチ)を行うところだ。
最近じゃ輸血に関して色々な問題が取り上げられているよな。
その他 脳脊髄液、穿刺液などの検査も検査技師が行う。
藤田○一郎先生の書いた本で有名になった寄生虫検査も
検査技師の分野。
心電図検査 生理機能検査の中では一番ポピュラーだよな。一度くらいとった事の
ある奴が多いはず。くわしくは熱ペンの美子ちゃんを参考にしてくれ!
脳波検査 α波やβ波、REM睡眠なんて言葉は聞いたことがあるよな。
睡眠脳波をはじめ脳の微弱な活動を検査する分野だ。
くわしくは脳波計の静さんを参考にしてくれ!
自己陶酔に入った俳句を読んでいるはずだから……。
呼吸機能検査 「吐いて吐いてふぅ〜っ!」
肺活量検査をするところだ。気管支の状態を反映する努力性肺活量、
肺拡散能力検査なんかもやっている。タバコはやはり肺の敵だ!
超音波検査 心臓超音波と腹部(消火器)超音波などがある。超音波は侵襲のない
検査だと言われてるよな。

参考文献;ro-sの頭(なので誤りがあったらすまん……)



[BACK]