コロナワクチン接種者(打ち手)を経験した臨床検査技師のお話


 こちらのページは臨床検査技師がワクチンの接種者、打ち手を実施した感想ページです。
打たれる方じゃなくて、打ち手です。接種者!!

   ←こっちね、こっち!

ワクチンの打ち手を体験した臨床検査技師って少ないと思います(多分)。
今更(現在2024年)だけど、感想レポートです。


病院だと、ワクチン接種業務は医師または看護師さんが行ってしまうので、
検査室に勤務している臨床検査技師に、ワクチン接種の業務が回ってくる確率ってかなり稀だと思います。

私がワクチン接種の打ち手を実際に行った場所は……

ワクチン集団接種のための特設会場(大学)です。




大学の職域接種で打ち手として活躍してきましたー\(^o^)/

っていっても、2021年のことですけどね~。
今更ながらレポートです。

日本臨床検査技師会の「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種基礎研修(座学)」と45分の実技研修を修了の上、実施しました。
実技講習の感想ページはコチラからどうぞ。

ワクチン接種のためのオンラインの座学は受けたけど、実技講習はやっていない、
ましては実際に筋肉注射で打ち手をやった臨床検査委技師って稀ですよね。

臨床検査技師は採血業務には慣れているので、注射器の扱いには慣れていますよね。
採血業務は前職の大学病院で17年ほどやっていたので、採血には慣れている臨床検査技師になると思います。

実技研修では、注射器の持ち方や接種の仕方、ポイントなどを習いました。
静脈採血と大きく違うところは、注射器の持ち方ですよね。
コロナワクチンの筋肉注射は注射器の持ち方が鉛筆持ち。
そこが大きく違うと思いました。
針もしっかり、ブスリと奥まで、筋肉に届くまで刺さります。



なので、

「痩せている人を注射した時、骨に当たることもあります。その時はちょっと手前に引いてください」

と、実技講習で習ったのですが、

その時は「ふーん、( ´_ゝ`)」

と特に何も考えず聞いていました。

それで、どうしてワクチンの接種者をやることになったかというと、
コロナワクチンの1,2回目って、大規模ワクチン接種会場とかがあって、予約を取るにも一苦労という状態を覚えていらっしゃるでしょうか。
2021年頃です。

前職が大学病院の臨床検査技師、2021年当時、臨床検査技師養成校の大学教員だったので、
大学の職域接種でコロナワクチンの接種者として協力することになりました。
接種対象は、大学の学生・教職員、付属高校の高校生、近隣の住民の方でした。

一応、医療系の学部がある大学なので、医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師の4職種がおりました。
医師は問診、看護師はワクチン接種と接種後の経過観察、薬剤師はワクチン分注、臨床検査技師(私)はワクチン接種の役割を実施しました。

臨床検査技師である私は、研修は受けたけれども
筋肉注射でワクチン接種は、実際の人でやったことはない。

なので……

「最初はちゃんとできるか、確認します!」

最初の一人目は、看護教員2名がじーーーっと見ている中、接種を行いました。

このワクチン接種で何が一番大変だったかというと、
この1人目がものすごーーーーく緊張しました。

その後は、順調に接種できて、1回目接種2日間、2回目接種2日間(合計4日間)参加して、
200名くらいの接種を行いました。
針刺し事故等もなく、無事に終了しました。


臨床検査技師の感想としては……

1.採血より楽?
静脈採血と違って、筋肉注射は血管に針を入れる必要がないので、その点は楽……かな?

2.患者さん(ワクチンを受ける人)がめっちゃ緊張している!
 静脈採血でも緊張してい人たくさんいますが、病院の採血室だと採血慣れしている人もいますよね。
ワクチン接種慣れしている人は、ほぼいないため、
「ワクチンは受けたい(受けなければならない)んですけど、本当は嫌なんですよー。やだなーやだなー」
と呟いている人、結構いました。
または、無言な方も。
あと、学生さん(高校生、大学生)は、注射や採血をした経験が殆どないため、かなり緊張している様子でした。
採血でも接遇大切ですが、ワクチン接種は更に接遇が大事だと感じました。
あまりに緊張している方には、ベッドで寝た状態で実施していました。

3.骨に当たってびっくり!
実技研修で「痩せている方に注射した時は骨に当たるかも。コツンと感覚がある」と聞いていたのですが、初めて骨に当たった時はかなりビックリしました。
もちろん、ビックリは患者さん(学生さん)の前では表情に出しませんでしたが。

本当に

『コツン』

なんか、硬いのが針先に当たった!( ゚Д゚)ノノ

と、わかりました。
本当に骨って感じ!



静脈採血だと絶対にない感覚なので、ちょっと驚きました。

(骨に針が当たって痛くないかしら?)と思って

「強い痛みはありませんか~?」
と聞いてみましたが、もちろんなし。

骨に当たったのは200人接種して3人くらいでした。
あと、ワクチン接種して針を抜くと、血がツーッとちょっと出る時がありました。
これは10人に一人くらい。
上腕の静脈にかすったのかなと思います。
血が止まりにくないかどうか確認して、少し間アルコール綿で押さえていれば問題なし。
(15分の観察の時間に止まったかどうか看護師さんに確認してもらいます)


4.看護師さんに不思議に思われる

 患者さん(学生たち)がいないとき、

「ちょっといい?」

と接種会場にいる看護教員の方に接種会場のすみのほうに呼び出されました。

(な、何? あなた全然ダメ!とか、言われたら、どうしよう、ドキドキ)
とちょっと緊張していると……。

「なんでそんなにできるの? 接種も上手だし、患者さんの対応も上手。検査技師さん、それも教員なのに何で?」
とそれはそれは不思議そうに聞かれました。

「あー、私、前職、大学病院に勤めていて、採血17年くらいやってました。採血室専属でいたこともあります。
生理機能検査も10年弱やっていたので、患者さん対応は大丈夫なんです(^O^)」

と、説明したら分かってもらえました。

臨床検査技師でも患者さん対応できることアピールできたかな?

臨床検査学科の学生にも「先生(臨床検査技師)って、ワクチン接種できるんですか?」と聞かれることもあったので、
ワクチン接種の講習会に行って、採血業務も17年くらいやっていたことを伝えました。
17年と言ったら、「えっ、先生、一体何歳?」と聞かれてしまったので(-_-;)、」
次からは「採血歴10年ちょっと」と変更してみました(笑)。


そんなわけで、レポート書くのがなんと3年後(現在2024年4月)ですが、コロナワクチン接種者(打ち手)を実際に経験した臨床検査技師のレポートです。
採血ができれば、筋肉注射のワクチン接種は可能だと思います。最初の一人目がとっても緊張しますが、熟練した医師・看護師さんに見守っていただければ大丈夫です。
このレポートが、臨床検査技師の方の参考になれば幸いです。

それでは、また(^.^)/~~~


2024年4月14日
臨床検査のほとり管理人

採血&静脈ルート 確保手技マスターノート


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