「ウルヒの日記」
BYしゅんしゅん
21世紀初頭、氷室教授率いるハットゥサ発掘調査隊は
前回の「ハート型の書簡」の発掘に続き、今回の調査でも多数の粘土板の発掘に成功した。
今回の出土品である粘土板は日付ごとに出来事が記録されており、
「ウルヒ・シャルマ」なる人物の日記もしくは回想録のようなものではないかとみられている。
以下、氷室教授による解読された一部である。
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☆月×日 |
きょう、はじめてナキア姫に会った。
・・・見られてしまった・・・。 |
○月◇日 |
陛下のもとにあがられるナキアさまに再会した。
思わず赤面してしまった。・・・誤解されたらどうしよう・・・ |
■月△日 |
ナキア姫が泣いていた。
「見たわね?」とすごんだナキア姫に、思わず言葉を失ってしまった・・・。 |
■月★日 |
翌日、中庭でナキアさまと二人きりになった。
「昨日のことバラしたら、あんたのこともバラすわよ」と脅された。
・・・そんなこと言わなくてもいいのに・・・。 |
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◎月☆日 |
ナキアさまに「私を連れて逃げて」と宝石を差し出された。
・・・断った。
宝石をぶつけられた。・・・痛かった。 |
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▽月○日 |
ナキアさまが皇子をお産みになった。
心なしか以前のナキアさまと違って見える。
何をたくらんでいるのか心配・・・。 |
◇月■日 |
ジュダ殿下の洗礼の儀が行われた。
美しい金髪の王子さまはナキアさまに似ず愛らしい。 |
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×月●日 |
人払いをして、ナキアさまは私の目の前でこれ見よがしに湯浴みをする。
・・・蛇の生殺しとはこのことだ・・・。 |
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氷室教授注釈・・・今回発見された「ウルヒの日記」(仮称)は内容から見て、
かなりの年月を通して記されているが、欠落している部分も多々あり、完全に訳せるもののみを発表した。
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途中の空白月日をうめる粘土板は現時点で残念ながら発掘されていないということで、
今後の発掘調査による成果が期待される。
フリーライター・小田切 貢
ツアー中、ハットゥサで思いついたパロディなんです。
しゅんしゅんさんが書いてくれました。
ウルヒの健気な日記が発掘されたらおもしろいねと……(笑)。
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