***ミッタン家の秘密~ぴかぴかシリーズ***
BYまゆねこ


 ある日の給食時間のこと、カイルのクラスでみんなが楽しく給食を食べていると、
突然ミッタンナムワが話を切りだした。
「全く! 昨日うちのおかんと親父がケンカしちゃってさ!」
 するとカッシュがすかさず言った?
「おかんて何? やかんの仲間か?」
「違うよ! みんなが言う『ママ』のことさ! うちの親は2人とも大阪人なんや」
 するとクラスのみんなが「へぇ~」と感心した。
「そういやミッタンの家って、たこやき屋だもんな!『元祖大阪』の!
お父さんミッタンと同じはげ頭にねじり鉢巻きして焼いてるんだぜ!」
 ルサファが今更ながらそう言った。
「似合う! 似合いすぎてるぜ! さすがはミッタン、おっとおかわりいただきだぜ!」
 ラムセスが食管に走りながらそう言ったので、みんなははげ頭のミッタンの
お父さんがたこ焼きを焼く姿を想像して思わず吹き出してしまった。
「ところでミッタン! お前家では大阪弁使うのか?」
 カッシュが聞いたのでミッタンは「うん」と答えた。
するとラムセスが横から口を出して言った。
「俺、大阪弁知ってるぜ~『ハロー』って言うんだよな?」
 すると今まで黙っていたカイルも負けじと言った。
「違うよ『ハッピー』って言うんだってば~」
(全く! こいつらときたら大阪弁も英語も区別がつかないようです!
でもそれに誰も気がつかず大まじめで話題にするのが1年生なのです)

 さすがに2人の会話のバカさ加減に呆れたのかクラスの知恵袋イル=バーニ
が口をはさんだ。
「知らないんですか? 2人とも!大阪では『~てなもん』みたいに最後に『もん』を
つけるのが決まりなんですよ」
 するとミッタンがすかさず反論した。
「何言ってんのや! イル。必ずしもそうとは限らへんで」
 ミッタンは、これだけはイルにも負けないとばかりに張り切った。
「そうだな~ミッタンが『おかん』とか言うと誰よりも似合うと思うぜ」
 親友のカッシュが言った。これもほめ言葉なのだろうか?

 その時、3度目のお代わりに行ったミッタンが叫んだ!
「ラムセスのアホ~! 全部食ってしもうて!」
「へへへ馬鹿め! ぼやぼやしてるほうが悪いんだぜ!」
 すかさずラムセスがアカンベをした。
「ルサファ! ミッタンに『アホ~』と言われると『馬鹿』って言われるより
ずっとこたえると思わないか?」
「ああカッシュ、ラムセスって本当タフだよな!」
 しかし、さすがのカッシュとルサファも担任の先生が彼らの会話を聞いて密か
に笑い転げているのには気づかなかった。

 その日の夕方、ミッタンの父のたこやき屋は、いつになくかわいいお客で
賑わっていた。ミッタンの頭とたこやきの頭を足して2で割ったような頭の
ミッタンの父は、藤山直美によく似たミッタンの『おかん』に言った。
「おい! 今日はやけに1年生で賑わっておるやないか?」
「ほんまにな~そやけど今日に限って、あの大食い息子おらへんのや!
お父ちゃん! 帰ってきたら手伝えって言うといてや」
 店先ではラムセスがたこやきをぱくついていた。ミッタンが帰ってもたぶん
おやつ抜きで手伝わされるに違いない!

                                ~終わり~



たこ焼き屋ミッタン。似合うではないか!
王宮の前で露店出して売ってたら面白いのにねぇ。BYねね