私の趣味は読書のはずなのですが、活字を見ると睡魔に襲われる習性が
ありますので、本当の趣味かどうかわかりません(笑)。
睡魔もぶっとばした作品の紹介&感想を載せていこうと思います。
ちなみに、本を読むのは通勤電車の中がほとんどなので、このタイトルにしてみました。


西の魔女が死んだ

梨木香歩

新潮文庫
 地元の本屋さんをフラフラしていて、何気なく買った本。
 登校拒否気味の中学生まいが、約一ヶ月、西の魔女と呼んでいる祖母の
元で過ごすお話。内容はほのぼの坦々としていて、電車の中で
活字を追っていると、ふっと睡魔が襲ってくること数回(笑)。
だけど、最後の4、5ページがよかった。納得もできたし、ちょっと感動。
この本読んでよかったなぁと思える本です。
 でも、この本は女性向けかなぁ。あ、いや、女性向けといっても、
や○×本とか奥様のタンス本とかそういう意味じゃなくて、
ほのぼのとしてるしファンタジーみたいな部分もあるから、
テンポのよいアクション系の小説ではないという意味で……。
決して、決して! 男性が読むと後悔するような女性向けという意味
ではなくて、しっとりした感じのお話ということで……。
あああああ、私何言ってるの!(爆)(;=_=A
アセアセ


野わけ

渡辺淳一

角川文庫
 検査技師を中心に話が進む稀な小説。
 
輸血センターに勤める検査技師、迪子が主人公。
 迪子は、妻子ある輸血センターの部長、阿久津と不倫の関係。いけないとわかっていても
どんどん阿久津に傾斜する。妻から身も心も阿久津を奪おうと、だんだん主人公は
魔女になってゆく。だが、気持ちは魔女でも迪子は所詮人間。魔法の使えない魔女だった。
最終的には自業自得というドツボにはまってしまう。
 本編の中盤で、病気になった妻に付きっ切りの阿久津を振り向かせたくて、
迪子は検査技師ならではの異常な行動に出る。「何やってるの!この人!」
と、朝の通勤図書館の中で悲鳴を上げそうになった。終盤で阿久津の妻が自殺するのだが、
妻の自殺より、「検査技師ならではの異常な行動」のほうが私には驚きだった。
(妻の自殺は作品紹介にも書いてあったし)
 ストーリー的にあまり関係ないが、本編の中で軽い怒りを覚えたことがあった。
交差適合試験の判定は迪子と阿久津にしかできない。同僚の伸代や宮子っつー技師?たちは
凝集を見ることができず、交差適合試験をやろうともしない。
「クロスマッチくらいやりやがれ!人任せにするな!働けぇ!」
 これは帰りの通勤図書館の中で叫びたくなった。

***

 検査技師が主人公の小説。はっきり言って暗いです。暗いけど、スラスラ一気に読めました。
 2×年前、昼ドラで『野わけ』をやっていたそうですが、私がお腹の中にいるとき、
母は毎日このドラマを楽しみに見ていたそうです。
「主人公は試験管を振っていた。あれはきっと検査技師だったのよ。
だからアンタは検査技師になったのよ!」
 そんな単なる偶然を……、『野わけ』じゃなくて、何を『たわけ』たこと……(笑)
 しかし、気になって本編読んでからは……
「ワタシは迪子のような検査技師になってよいのか? 母よ……」
 ちょいと不思議に思いました(笑)。
 かなり前に出版された本なので、古本屋さんには何冊も並んでいるはずです。
古い本が多かったのでキレイな本を探すほうが大変でした。

検査技師が主人公な稀な小説。オススメです。



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