ワタクシは超音波診断装置のお超。超音波検査室に10年以上席を置いているベテランの検査機器です。
ワタクシのことをみんなは『お超夫人』と呼んでいるわ。どうぞ、あなたもワタクシのことを『お超夫人』と呼んでもよろしくてよ。おほほほほ。
先日、新しい超音波診断装置がこの検査室に入ってきたの。名前はH美。
ワタクシたちをいつも使っている検査技師たちは、みんな新米の検査機器H美に集まっていて、
以前からある超音波検査機器のワタクシたちには見向きもしない。一体どういうことなの！
「新しい機械は液晶画面も綺麗で画像も高画質。画面も薄くていいなぁ～。BモードもMモードもパルスもカラードプラみんなも美しい！」
きいいいい！ ワタクシにだってBモード法もMモード法もパルスだってカラードプラだって全部できるわよ。H美だけに特別な機能じゃありませんからっ！
「スリムなボディで移動もしやすい。病棟へのポータブル検査やベッドサイドの検査にぴったりだな」
ふん……、確かにH美は見た目がスリムで、画面の解像度も新しい機械だけあってこの検査室で一番ね。
やっぱり若さには敵わない。それは認めるわ。だから病棟へのポータブル検査は、H美。あなたに任せるわ。フン！
みんな新しいH美を気にかけてばかり。こういう光景を見ていると、ワタクシなんだかイライラしてきましたわ。
……この感情って、もしかして嫉妬っていうの？
いえ、そんなことありませんわよ。
超音波検査のお超夫人たる者。新米機器に嫉妬なんてしませんよ。
「新しい機械もいいけど、やっぱり俺は使い慣れた機械のほうがいいなぁ～」
超音波検査室主任のMさんがワタクシの前に座りプローブを手にする。
Mさんはこの検査室で一番長く超音波検査をやっていて、技術も知識も一番豊富なの。
後輩の育成や新人技師の指導はMさんがすべてやっているの。
その指導のすばらしさから、ワタクシは心の中でMさんのことをMコーチと呼んでいるの。
ワタクシの良さを理解するのはやっぱりMコーチだけなのよ。そうなのよ！
仕方ないわね、H美。
あなたのことは妹分としてこの検査室においてあげてもよくってよ。まあ、これからせいぜい頑張りなさい。おほほほほ。
超音波レベルにプライドの高い超音波診断装置のお超夫人は、今日も高らかな笑い声をあげて検査をしておりました。
＊＊＊
まんがエースをねらえのお蝶夫人をお超夫人として書いてみました。
H美はひろみ、Mコーチは宗方コーチです。
古い漫画の話で、分からない方はどうもすみません。
私の中ではお気に入り♪
エースをねらえ！ Wikipedia
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