***16号続き***

 ユーリのカルケミシュへの帰還に 陸路よりも海路を選んだカイル。
ウルヒの手を上手く逃れたと思ったが・・・、このウルヒ様を舐めてもらっちゃ困る
と言わんばかりに不気味な笑いを浮かべる隻眼金髪長髪男。
ウルヒのこの様子からすると何か策がありそうだ。さてその策とは・・・。
 
 実はこのときウルヒには何の策もなかった。ウルヒは陸路から以外の道は
考えていなかったのである。カイルにしてやられたと思っているウルヒ。
だが取り乱しては 久々の登場なのに きまりが悪い。読者の前では
ばっちり決めて、薔薇ラムセスに負けないくらいの人気を取りたいものだ。
(ラムセスはいつから人気になったのだろう・・・?)
「フフフ、皇帝陛下。このウルヒ様を舐めてもらっちゃ困る。
どんな事にも臨機応変に対応できてこそ 真の悪役というもの。
みておりなさい。皇帝陛下!」
自信漫々のウルヒ、さてはもう悪知恵が働いたのか?といいつつ
しゃがみこんでウンチングスタイルで考える人のポーズを取って考え込んでいるウルヒ。
彼にはまだ策は思いついていないようだった。金髪を指に絡めて
一生懸命考えている。まるでその姿は海闇のジーン・ジョンソンにも似ている。
「ポンっ」
ウルヒは立ちあがり手を打った。何か思いついたようだ。
「何を簡単な事。この私の特技を生かせばあんな船、簡単にこのウルヒ様の
手に落ちるわ。ふわはっはっは。」
ウルヒは急いで神殿に帰った。どうやら着替えをするようだ。

 ピタピタピタ。ウルヒの足音が響いた。それもそのはず。
足には カエルになったのか?と思うくらいのデカイ水かきをつけており
ウルヒのセクシーな体にフィットした全身真っ黒のウエットスーツを着ている。
背中には薔薇・・・じゃなかった酸素ボンベを背負い、口にはシュノーケルをくわえている。
ウルヒは彼の特技、ダイビングをここで生かすつもりらしい。(天河履歴書参照)
アラスカ出身のウルヒ。海の水の冷たさなんてウルヒには 何てことない。

 ドボーン〜〜〜。
ウルヒは ユーリの乗った船を負うようにして海に飛び込んだ。
彼の長い金髪がマリンブルーの海に浮き ハタから見ると金色のクラゲが浮かんでいるようだ。
ヒッタイト帝国の鈴木大地かと思われるくらい彼の泳ぎはすばらしい。
トビウオウルヒ、ガンバレ!シドニーオリンピックはすぐ目の前だ!

そんな泳ぎでウルヒはあっという間に ユーリの乗る船に追いついてしまった。
これから彼はどうするのか?船に穴でも開けて沈没させる気か?
そう思いきやウルヒは 船に手をかけゆっさゆっさ一生懸命、船をゆすっている。
どうやらユーリを始め 船に乗っているものを船酔いにさせる気らしい。
ゆっさゆっさゆっさゆっさ。両手を船にかけ 休むことなく船をゆすっている。
こうなったら 次号までずっと船を揺すっていてもらおう。2週間がんばって船を
揺すっていてくれ!ウルヒ!!!