***24号続き*** BYまゆねこ


  ユーリ達が間諜を追ってナイル川を遡っていたころ、時を同じくして、
ウガリットのヒッタイト陣営では相変わらず、カイルの体調は思わしくなかった。
「陛下、少しはお休みください」
 見かねたキックリが言った。
「そうだな。では少し休ませてもらおう」
 そう言ってカイルは長椅子に横になった。うとうとしてからしばらくカイルは夢を見た。

 その夢の中にユーリが出てきた。周りは砂漠?どうやらエジプトらしい。
近くに蜂蜜色の肌のエジプト人が大勢いる。その中の背の高い男がユーリの肩を抱いた。
ユーリは別に
嫌そうにもしていない。
「何なんだ。ユーリその男は?」
 カイルが夢の中でつぶやいてふとユーリの服を見ると何と!
エジプトの流行の胸だしドレスを着ているではないか。腰巻きもスケスケの
薔薇模様のピンクのレース。
 その時ユーリの肩を抱いた男がカイルの方を振り向いてアッカンベーをした。
ムムム、やっぱりラムセス!
「ラムセス!この野郎許せん。ユーリに何て羨ましい・・・
いや淫らなドレスを着せているんだ。絶対殺してやる〜」

 カイルがそう叫んだ瞬間、目が覚めた。と同時にボタボタッと膝の上に血のかたまりが・・・
「陛下!鼻血が!誰か医者と薬師を呼ぶんだ!」
 キックリが慌てて叫んだ。
「くっそ〜!これもみんなラムセスのせいだ。」
 側近達に無理矢理ベッドに運ばれる途中カイルはそう考えた。

 一方こちらはエジプト、間諜の黒幕を突き止めたユーリ達はひとまずラムセスの屋敷に帰っていた。
 ラムセスの妹のネフェルトは相変わらずユーリに流行の胸だしドレスを勧めていた。
「もうこうなったら実力行使よ!ユーリ様を捕まえて無理矢理ドレスを着せちゃえ!」
 ネフェルトは侍女達に命令して、嫌がるユーリに無理矢理ドレスを着せてしまった。
「ほうら、なかなか似合うじゃない?兄様の好きなピンクの薔薇入り透かしレース!」
「こんなのやだってば!あたしラムセスなんか喜ばせたくない!」
 ユーリは恥ずかしくて真っ赤になった。
「せっかくだから記念写真を撮りましょうよ!はいチーズ!」
 どこから持ってきたのか手際よく?デジカメが用意されていた。
 こうしてネフェルトはユーリと2人並んで胸だしルックでカメラに収まった。

「せっかくだからメールに添付して送らなくちゃ!
そうだ、ユーリ様がこの前メールを送ったとこにしよっと♪」
 ネフェルトはさっそくパソコンの置いてある部屋にいった。
「えっと、まず編集と貼り付け!あら、やだ私カツラつけるの忘れちゃってる。まあいいか。」
 ネフェルトはそう言って宛先(カイル行き)を打ち込み、
ユーリのアドレスを入れようとして気がついた。
「えっと・・・ユーリ様のアドレスって長いわねえ!もう面倒臭いから
兄様のアドレスで送っちゃえ!ramses@ro-se○×.□×.△○・・っと」
 こうしてネフェルトはラムセスのアドレスでカイルにメールを送ってしまった。

 また、しばらくして再びヒッタイト陣営。
 鼻血がとまってからパソコンルームへ行き自分宛のメールを開いたカイルが見たものは・・・
「何だ!これは?淫らな服を着たユーリと隣はラムセスではないか!
あの夢は正夢だったのか?」
 再びカイルは鼻血を出し寝室に運ばれるはめになった。
写真をよく見ればそのラムセスはオッドアイでなく胸があり、妹のネフェルト
であることがわかるのだが今のカイルにそんな余裕はなかった。

 皇帝の出血で再び陣営は緊張に包まれた。しかしその後鼻血が
止まったカイルはユーリの写真をしっかりプリントアウトして抱きながら
眠りについた。もちろんラムセス(ネフェルト)の部分はちょんぎって!

カイルが再びユーリに会えるのはいつのことになるのだろう?

  〜終わり〜