***22号続き***



 とうとう、エジプトに連れてこられてしまったユーリ。
ラムセスは ユーリを抱きかかえ、潮風の向こうに見渡せるアフリカ大陸を 見せた。
「ユーリ、どうだ。あれが 我がエジプトだ。世界4大文明のひとつである
エジプト文明発祥の地だ。赤い河になんか 比べものにならないくらい悠大な、
ナイル川が 流れている。これから タイトルは 『天は赤い河のほとり』じゃなく、
『天はナイル川のほとり』にしよう。私とユーリの愛の物語だ。部数激増するぞ。」
 ラムセスに抱きかかえられ 初めて目にするアフリカ大陸を呆然と見つめるユーリ。
とうとう ユーラシア大陸を 脱出してしまった。
自分は またもやラムセスの手の中にいる。かれこれ ラムセスに捕まるのは
連載始まって 4回目だ。相当、彼とは縁があるらしい。
もし赤い糸なるものがあったら ラムセスと結ばれているのではないか?
と、ふと不安になるユーリであった。
「よし、ユーリ!アフリカ大陸上陸記念に、こっちへおいで。」
ラムセスは ユーリを抱きかかえたまま 船の先頭へ行った。
「船の先頭に立つんだ。お前はローズ、私はジャックでタイタニックだ!」
ラムセスは ユーリの腰に手をあて 気持ちよく 潮風を仰いだ。
ラムセス側近のワセトは すかさず テープレコーダーを持ってきて
タイタニックのテーマ曲をかけた。
 バキッ!
「バカなことやらせないでよ。」
ユーリの パンチが飛んだ。
「おう!だいぶ元気が出てきたようじゃないか!やっぱり ユーリはじゃじゃ馬じゃ
なくっちゃな♪」
殴られたにも関わらず ラムセスは嬉しそうだった。

 船から降りると ラムセス将軍帰国に沢山の人が集まっていた。
大きな横断幕が掲げてあり 薔薇の花で 『おかえりなさいませ。ラムセス将軍』と
書かれていた。真っ赤なカルメンのようなドレスを来た人達が
口に薔薇を加え ダンスを踊っている。ヒッタイトとの戦いにまだ決着は
ついていないが ラムセスの凱旋パレードのようだった。
「すごい、さすが薔薇の国・・・。」
ユーリは あっけにとられた。
エジプトは別に薔薇の国ではないのだが・・・。
「ユーリ、お前の好きなものはなんでも 与えるぞ。初めてのエジプトだ。
元気になったら とりあえず観光でもしようじゃないか!
サバンナで 象やキリンに乗るのもいいし、ナイル川で ピラニア釣りもいいな。
(釣れるのか?ピラニア・・・。)ピラミッドの見学にも連れていってやるぞ。
 ラムセスは ユーリを エジプトに連れて来ることができ。 相当、嬉しそうだ。
まさか カイルもここまでは そう簡単には来れまい。

 赤ちゃんも いなくなってしまって まだ何を考え 何をしたらいいか 分からないユーリ。
ラムセスの言うように 象やキリンに乗るのも なかなか出来るものでは
ないと思うが とりあえず ツタンカーメンのピラミッドへ お墓参りにでも
行こうと考えているのであった。


 そのとき ルサファは・・・?
ガラス瓶に『ユーリ様。ご無事。只今 エジプトにあり。』との手紙を入れ、コルク栓をして
ヒッタイトの方面へ向けて 広い広い地中海に ガラス瓶を放り投げていましたとさ。



*********************************************


どうやら リュイも無事だったようですね。今回は ザナンザ皇子やウルスラまで 
出てきて・・・。もう ザナンザ皇子は出てこないと あったので ちょっと嬉しかったです。
しかし、やっぱり流産しちゃってたのね。前号までは 流産したって ユーリが嘘を言ったのでは?
などと 密かに考えていたのですが・・・。
カイルは 今号も ふ抜けちゃってるし。
いいんだか 悪いんだか分からないけど とにかくこれからもラムセス大活躍ね。