***2号続き***BYまゆねこ 


 ラムセスはユーリとの結婚式を決めてから、妹のネフェルトとともに準備に
忙しくなった。ネフェルトなんか特に大乗気でさっそく結婚式の衣装あわせに
とりかかっていた。
「ねえ、兄様、やっぱりユーリ様の衣装は胸出しの薔薇ドレスよね?」
とネフェルトが言えば
「どうだ?俺のタキシードは?やっぱり薔薇模様かな?」
とラムセスが答えると言った具合である。
「やあね! どぎつい真っ赤な薔薇タキシードなんて! スパンコールがついていたら
吉幾三よ。ユーリ様は、薄いピンクの薔薇ドレスよ。ちょっと! 
グラサンなんかかけないでよね。」
 さすがのラムセスもネフェルトにかかっては、たじたじである。
 ちょっと自慢にしていた薔薇服をけなされたのでラムセスは、
「じゃあ俺は招待状の発送にとりかかるとするか。」
 とさっさと変えてしまった。
 もちろん彼らにはユーリの気持ちはおかまいなしである。ユーリが
「あの・・あたしにはカイルがいるんだけど・・」
 と言っても
「お前は側室だろう?重婚にはならないから大丈夫だ。式には王太后も呼ぶから
心配するなって!」
 と言った調子であった。

 一方、ルサファがエジプトから戻ってからのウガリットのヒッタイト陣営。
 カイルがスパイのことを耳にしてから、ずっとピリピリした緊張状態が続いていた。
 そこへキックリがあわててかけこんできた。
「陛下、エジプトからパピルスの書簡が届いております。後ろに薔薇の印章がついて
いるのでラムセス将軍かと・・・」
「見せてみろ!」
 カイルがキックリからひったくった書簡は封筒になっていた。
「何々? この度ウセル・ラムセスとユーリ・イシュタルの婚約が
相整いめでたく華燭の典を・・・。
 何だとー!この書簡は結婚招待状じゃないか。しかもユーリとラムセスの!」
 カイルはもう怒り心頭に達していた。
「ユーリと結婚式を挙げるのは、この私に決まっておる。
それをさしおいてラムセスの奴め!」
「陛下、落ち着いてください。エジプトは遠いんですから!」
 しかしカイルはますます興奮してきた。
「きゃああ!誰か誰かー。陛下が燃えている。火事よ!火事!」
「あちち、あち燃えてるんだろうか♪」
「バカ、ミッタン歌ってる場合じゃない、陛下が炎をバックにしょってしまわれたぞ!」
 確かにカイルは不動明王のように怒りと嫉妬の炎を背中にしょってしまったよう
だった。
「ええい、うるさい。このままホレムヘブを蹴散らして、まっすぐエジプトに侵攻して
やる!ラムセス、首を洗って待っていろよ!」
 もはやカイルを止められる者はいなかった。

 同じ頃、ウガリットに対時して、オロンテス河畔に陣取るホレムヘブの陣営でも・・・
「陛下、ラムセス将軍よりパピルス書簡が届いておりますが・・・」
「何だ? 戦闘中に! 失礼な奴だな。何々? この度わたくしことラムセスは
結婚することになり陛下のご臨席及びお歌を賜りたく…ラムセスが結婚するのか?」
 ホレムヘブはびっくりした。
「して陛下、ヒッタイトとの戦闘はどのような作戦を?」
 部下が聞くとホレムヘブは
「何? 戦争など、どうでもよいわ! さっそくエジプトに戻って式に出るぞ!
儂の自慢の美声を思う存分聞かせてやるわ!」
「あのー、陛下」
「うるさい!久しぶりにラムセスの結婚で儂のリサイタルも開けるというものだ。
すぐに退却じゃ!」
 それを聞いて部下達はうんざりした。ホレムヘブのジャイアンリサイタルを
聞かされるくらいなら戦争をやってたほうがましというものである。
 こうしてホレムヘブの軍もエジプトへ向けて退却を始めた。

 もちろん、ラムセスの結婚を聞いたのは招待状が届いた者達ばかりではなかった。
「何! ウルヒ? ラムセスとユーリの結婚式じゃと? なぜわたしが呼ばれんのじゃ?」
 どんな時でもナッキーは自分が仲間はずれにされるのが大嫌いであった。
「そりゃ、もちろんナキア様ですから・・・」
 とウルヒは言いかけて口ごもってしまった。
「うるさい、招待されていようといなくとも、わたしは行くぞ! 噂によると王太后も
招待されているというではないか!」
 どんな時でもネッチーへの対抗意識は忘れないナッキーである。
「やれやれ全く見栄っ張りなんだから!」
こうしてナッキーもエジプトへ向けて密かに出発した。

 ついに天河オールスターがそろう時が来たのか?風雲急を告げそうなオリエントで
あった。
                             〜終わり〜

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今回の続きパロもまゆねこさんに頼んでしまいました。
だけど今回の表紙…きゃああああああ!薔薇よぉ〜!
♪└|∵|┐♪└|∵|┘♪┌|∵|┘♪♪└|∵|┐♪└|∵|┘♪┌|∵|┘♪
次回は、カラーで見たいものですね。(爆)
ユーリがラムセスと結婚…。本屋さんで立ち読みしたとき、
私は吹き出してしまった。パロとしか思えない。(笑)
篠原先生ありがとう。ユーリとラムセスの幸せを祈っています。
あっ、祝電も、うたなくっちゃ。

『ミントののようにさわやかで、薔薇のようにあま〜い家庭を築いて下さい』

                                   BYカイルファンのねねより(爆)