***24号続き***


 カイル率いるヒッタイト軍とラムセス率いるエジプト軍。
両軍とも有能な将が存在しているため、押されも引かれもしない対等な戦いが続いていた。
 タハルカよって少々エジプト軍陣形が崩れたが、そこはラムセス。ヒッタイトに押されることなく
なんとか持ちこたえたようだ。
 戦局が安定した頃になるとエジプトファラオ、ホレムヘブのご登場である。
いつの時代にも、どこの地域にも、人にさんざん苦労させておいて、おいしい所だけを
ちょいと摘もうとする嫌な奴はいる。ラムセスのはらわたの煮え繰り返る気持ちが、
少コミから伝わった来るようである。
 ラムセスの怒りも束の間、ホレムヘブはカイルの巧妙な作戦に載せられっぱなし。
久々登場の黒太子の戦車隊に、こてんぱにやられてしまった。
「超ムカツクぜ! ホレムヘブの奴!」
 ラムセスはネネスを取った。オッドアイには怒りの炎が浮かび上がっている。
「こうなったらムルシリと一騎撃ちだ! オンチのホレムヘブなんかにかまっていられるものか!」
 蜂蜜色の逞しい肉体は、一騎撃ちの申し込みをするために黄金のイシュタルの軍旗を
目指して駿馬を走らせた。

「ムールーシーリー! 勝負だー!」
「待ってたぞー! ラムセスー!」
 まるで二人は逢引の約束でもしていたかのよう。爽やかな笑顔で二人は再会した。
「さあ! 勝負だ!」
 二人は剣を交えようとする。オッドアイの瞳も翡翠の瞳も真剣であった。
「ちょっとまったぁ〜!」
 両者剣を鞘から出した所でちょっとまったコールがかかった。声の主は黒太子である。
「ちょっと待ってくれ。私もその勝負に入れてくれ。久々の登場だからもうちょっと目立ちたい」
 コミックス3〜4巻のよりやわらかい表情になったシスコンミタンニ王が二人の中を引き裂いた。
「おお、私も目立ちたいぞ! ラムセス。私も入れてくれ!」
 黒太子とはまた違う声がした。
 声の主は、勝機を横取りしようと考えていたホレムヘブ王であった。
「なんなんだよっ! ホレムヘブ! お前はヒッタイト軍にやられていればいいだろう!」
 ラムセスが怒るのも無理はない。
「いや、オリエントの大国となうファラオがこの勝負に出ないわけいかないであろう!」
 ハハハと高らかに笑いながら言う。
 ラムセスはもちろん、カイルも黒太子も嫌な表情をする。
 ホレムヘブなんて最初から敵ではない。武力といい、顔といい、ルックスといい……。
「おい、どうする?」
 ラムセスはヒッタイトと新ミタンニの両王に小声で相談する。
「私もホレムヘブとは戦う気はないな」
 カイルははっきりと言う。黒太子も同じ意見のようだ。
「ちょっと聞いてくれ……」
 ラムセスは二人に耳打をする。
 コソコソコソ。ホレムヘブ抜きで3人は秘密の相談をした。
 相談が終わるとラムセスはこう言った。
「よろしい、ファラオをこのバトルの仲間に入れてあげましょう! 
最初のバトルはジャンケン大会です。4人でジャンケンをして3人だけが次のラウンジに
進むことができます。目指すはニューヨーク! 太平洋……じゃなかった。
サハラ砂漠横断ウルトラクイズです!」
 カイルとラムセスの戦いが、諸処の事情で、いつのまにかウルトラクイズに代わってしまった。
 ウルトラクイズとなっては司会者が必要。急遽ハディがこのクイズの司会者を
務めることとなった。
「はぁい! ハディでございまぁ〜す!(サザエさん調に)これから天河ヒーローの座を
かけたウルトラクイズが始まります。第一ラウンドは「じゃんけん」です。
運も実力のうち。実力も運のうち(←なんか違うぞ)。さあ、4人ともじゃんけんをしてください。
最初はグーですよ!」
 カイル、ラムセス、黒太子は顔を見合わせた。一呼吸置き……。
「最初はグー! じゃんけんポン!」
 カイル、パー。ラムセス、パー。黒太子、パー。ホレムヘブ、チョキ。
(注;↑カイルがパッパラパーという意味ではない)
「やったぁ! 私の勝ちだ!」
 ホレムヘブは飛びあがって喜んだ。
「何を言っているんですか? ファラオをあなたは負けです」
 ラムセスは静かに言う。カイルや黒太子もうんうんと頷く。
「なんでなんだ。パーとチョキではチョキが勝ちだろう!」
 ホレムヘブは不思議そうに言う。
「いいえ、チョキであるあなたの出している指は二本です。パーは五本。よって指の数が多い
パーが勝ちです」
「はい! ホレムヘブ王。あえなく第一ラウンドでダウン! 
罰ゲームとして、ギザのピラミッド10周のジョギングを命じます。さあ! いってらっしゃーい!」
 司会者のハディもホレムヘブの戦いなど見たくなかったようである。
 エジプトファラオは戦車でギザのピラミッドまで強制送還されてしまった。
 実はカイル、ラムセス、黒太子の3人。じゃんけんでパーを出す約束を最初からしていたのである。
国を担うものが、口裏合わせをする談合のような政策をとっていいのだろうか……?
「邪魔者がいなくなったところで、次は第二ラウンドです! 次はサハラ砂漠宝捜しクイズです。
このサハラ砂漠の砂の中にクイズカードは隠されています。クイズカードを探し出して、
正解した方のみ第3ラウンドにいけます。さあ、砂の中からカードを探してください。
よーい、ドン!」
 3人はサハラの中にカードを探しに行った。ニューヨーク目指して3人とも必死である。
 まず最初にカードを探し出して戻ってきたのはカイルである。
「はあはあはあ、カード持ってきたぞ!」
 息を切らせながら司会者ハディにカードを渡した。ハディは問題を読む。
「問題です。長方形の面積はたて×よこ。では台形の面積は?」
「わかったぞ!」
 カイルはすかさず答えようとする。
「まだ続きがあります。台形の面積の求め方はなんでしょう? あなたの側室が答えて下さい」
「え゛!」
 ユーリとカイルの声が同時に上がった。
「わ、私が答えるの? えっと……」
 がんばれユーリとカイルは叫ぶ。
「えっと……、底辺×高さ÷2だったかしら?」
 ブブー。
 鈍い不正解の音が響く。
「答えは(上底+下底)×高さ÷2です」
 がっくりうなだれるカイル。中学中退のユーリにはちょっと難しかったようだ。(爆)
「せめて義務教育の終わった嫁をもらえばよかったかな……」
 カイルはそうブツブツいいながら、砂漠に次のカードを探しに行った。
 3人ともカードをさがしているうちに、カイルは疲れ果て、ラムセスは蟻地獄にはまり、
黒太子はサソリにさされたため、第二ラウンド、サハラ砂漠宝捜しクイズは中止となり、
早押しクイズに変更となった。
「さあ、は・や・お・しですっ!」
 張切るハディ。真剣な色男たち。
「問題。ことわざです。せっぱつまったときに「溺れるものは○○をもつかむ」といいますが
何をつかむでしょう?」
 ピコポーン!(←早押しを押した音)
 ラムセスがすかさずはや押し。
「はい、ラムセスさん!」
 ハディはラムセスを指す。
「薔薇!」
 ブブー。不正解の音が響く。
 再び、ピコポーン!
「はい、カイルさん」
「わら!」
 チャリラリラリラー。(←正解の音)
「カイルさん正解です。1抜けです! ラムセスさんのバラがワラのヒントになったのでしょうか?
さあ、残された座席は一つ。次の問題です。映画ふうてんの寅さんの妹の名前は?」
 ピコポーン!
 ラムセスが再びはや押し。
「はい、ラムセスさん!」
 ハディはラムセスを指す。
「薔薇!」
 ブブー。
「さっきと同じ答えで間違えています。学習能力がないようです。さあ、他に答えは!」
 ピコポーン! 
「はい、黒太子さん!」
「ウメ!」
 ブブー。
「惜しい!(←本当か?)違います黒太子さん!」
 ピコポーン! 
「再びラムセスさん。答えをどうぞ!」
「さくら!」
 チャリラリラリラー。
「正解です! でもどうして寅さんを古代のエジプト人が知っているのでしょうか?
不思議ですが、第3ラウンドに行く二名が決まりました! ニューヨークめざして頑張ってください! 
では最後に。ニューヨークへ行きたいかぁー!」
 ノリノリハディの声に。
「おー!」
 と声を揃えるカイルとラムセスの姿がありました。 
 こうして二人の一騎撃ちは始まるのでありました。

♪おわり


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一体何なの? 今回の続きパロ(爆)。やけに長くなってしまってすみません。m(__)m
今回のラムセス。あんなふうにホレムヘブにいい所取りされたら怒りますよね。
腹の立つラムちゃんの気持ちは充分にわかります。
最後のページでねねとって……じゃなかった。ネネス(頭巾)とってはりきってましたね。
色男対決楽しみです。
余談ですが……、おたよりくださいの篠原先生の一言に、さくらという名前が……。
続きパロのネタとは……偶然だんだけどね…(笑)。