***2号続き***


 カイルとラムセス愛の戦い。
 ヒッタイトの鉄剣はみごとエジプトの刃をへし折った。さすがは金や銀を積んででも
隣国が欲しがるという「垂涎の的! 鉄剣」(すいぜんのまと=よだれを流してでも
欲しがるという意味ね)。ラムセスは武器を失ったのだからカイルに有利な方向に傾いたかのように
見えた。が、カイルは自らヒッタイトの専売品を我が手から離してしまった。
皇帝という地位、鉄という最強の武器、それらのカイルにとってプラスのハンデを抜いて、
男としてラムセスと一対一の勝負をつけたかったからである。
 これでカイルとラムセスは同等。同じ背の高さで戦えるのだ。カイルは戦場で汗と汚れのついた
着物を勢いよく脱ぐ。太陽の下にはなめらかなヒッタイト人の肌があらわになった。
ラムセスも負けずと剣で破られた着物を脱いだ。足を浸している水面には蜂蜜色の逞しい筋肉が
映った。
 もはや側近であるキックリ、ワセトの両者も止められない。素手での一対一の真剣勝負が
始まった。水しぶきを上げ、男の意地をかけた激しい戦い。今、同じ空の下で繰り広げられている
ヒッタイトとエジプトの国をかけた戦争と同じくらい真剣な戦いかもしれない。ヒッタイトと
エジプトの両国が勝利を絶対に譲らないように、カイルとラムセスも、この戦いの勝利は絶対に
我がものにしたいと願っていた。――いや、勝たねば男としてプライドが許さないであろう。
カイル・ラムセスの両者間で有能な将軍、聡明な皇帝であることは認めている。
知力、腕力、統率力、容姿どれを比べても引けをとらない、同じレベルである。
だからこそ、奥底に秘めている最大限の力をぶつけ合って、「この男よりも優れている」と
いう確証が欲しかったのであろう。
 上半身はだかの2人の男の戦いは、待ち望んだ戦いということもあり、両者互角であった。
カイルとラムセスが交互に押し倒される。力強く、逞しい筋肉はどんどんエネルギーを放出
している。汗が飛び、水しぶきが飛び、天河2大ヒーローの戦いは凄まじいものであった。
 寝技に組みかかっている両者。今のところカイルが押されていてラムセスが攻めていた。
思いっきりカイルの美しい顔をゲンコツで殴ろうとするラムセス。だが、足元が滑り
用意されたゲンコツは空振りし、カイルにそのままのしかかる形となってしまった。
 ――そのとき、蜂蜜色よりやや薄めの色の唇は、ヒッタイト皇帝のピンク色の唇に
重なってしまった。両者の鍛えられた筋肉は固く逞しかったが、唇はやわらかかった。
「ム、ムルシリ……」
「ラ、ラムセス……」
 水しぶきが一瞬収まった。
 2人とも、やわらかい感触がまだ残っておりポーと見つめあう。
カイルはオッドアイの不思議な瞳を神秘に感じ、ラムセスは天と同じくらい澄んだ
青い瞳をいとおしく感じた。
 2人はさっきまでの集中線やフラッシュの飛ぶ激しい戦いから、点描の飛ぶ
あまーい雰囲気の戦いに切り替わっていった。既にあらわになっている胸に手が伸び、
先ほどの偶然ではなく、必然的に唇を重ねていった。
「将軍! なんてことを!」
 目を見開くワセト。
「うおおおおおお! 陛下!」
 鼻血をぶっ飛ばし興奮するキックリ。
「こうしちゃいられない。点描だけでは雰囲気が出ない。ラブシーンには薔薇だ!
薔薇を将軍達のまわりに咲かせなければ!」
 ワセトが焦り真剣に言う。
「そうですね。ワセトさん。薔薇なら偶然にも私が持っています。これを使ってください」
 キックリは布に包んであった薔薇を出し、急いでカイルとラムセスのまわりに巻いた。
(3ページ目でキックリが手に布をかかえてるでしょ。あれの中身は薔薇よっ!BYねね)
「おお、キックリさん、気が利きますね。それも真紅の薔薇だなんて!」
 ワセトも一緒になって雰囲気作りをする。
「いや……、真紅の薔薇もいいけど、やっぱりラブシーンにはピンクの薔薇かな?
とも思いますけど」
「急なことなので仕方ないですよ。ここは将軍の好きな赤い薔薇で勘弁してもらいましょう」
「そうですね」
 ヒッタイト皇帝とエジプト将軍の側近は親睦を深めたようである。
 薔薇が巻き終わったところで、パカッパカッという馬のひづめの音が近づいてきた。
「陛下ぁ〜、皇帝陛下ぁ〜。どこにいるの〜?」
 ユーリの声であった。総指揮官を探しにアスランを走らせたのである。
「あっ、キックリ!」
 キックリの姿に気づいたユーリは、ほっとした表情で薔薇の巻かれた水面に近づいてきた。
「ユ、ユーリさま……あわわっ!」
 キックリは突然の邪魔者(笑)に目を見開き、驚いた。
「きゃああああああ! カイル! ラムセス! 何しているのー!」
 ユーリの悲鳴は青い空一面に響く。
「ひどいわカイル! 一生懸命ヒッタイト軍の指揮を私がしているときに、こんなふしだらなこと!
ラムセスなんかといちゃついて! ワタクシ、実家に帰らせていただきますっ!」
 わああああとユーリは泣きながらアスランで走って行ってしまった。
「ちょっと待て、違うんだユーリィ〜」
 魔の指してしまった? カイルは必死で叫ぶ。
「今さらユーリが何だっていうんだ? 俺のほうを向け!」
 ラムセスはどんなことに関しても強引であった(笑)。

 国も軍も忘れた一対一の男の戦い。――なんと、ひとつ新しい愛が芽生えてしまったのである。

♪おわり

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はぁ〜い。とうとうやっていまいました、続きパロやおい。
だってぇ〜だってぇ〜。脱いじゃうんですものー!
そんなにもお互い求め合っているのねっ!(爆)
こういうの嫌いな方、ゴメンナサイ。m(__)m
いやぁ、でもカイルとラムセスかっこいいですね。

次号は3、4合併号ってことは1月は1回しかでないの?
それはないんじゃないー、と思ったのは私だけかしら?




2号続きU

 ラムセスがカイルを羽交い締めに! カイル危うし!
 よーく見ると……。
 な、なんと! カイルの腰布がぁぁぁ〜!
『ピラリ〜』
 腰布のホックが外れてカイルの大事な部分が……!
 これは少女コミック。大事な部分はモザイクをかけねばならない!
 カイルの大事な部分に黒字に白抜きに『金』とモザイクがかかり、
そのままラムセスとの愛の対決が繰り広げられているのでありました。

こんな続きあったらいいな♪