22号続き

 結婚式の日取りが決まり、式に出席するため近隣諸国の皇族たちがハットゥサを訪れた。
エジプトからはネフェルト、アルザワからはアレキサンドラ姫の弟レオ、
ミタン二からは黒太子の息子マットゥアラ、キッズワトナ、ウガリットからも
カイルとユーリの結婚の儀を祝うために訪れていた。
 多くの人々が訪れ、もはや結婚式の日取りも変更することのできない状況、
かつここで逃げても、いつかはナキアと戦わなければならない。
逃げてはいけないとユーリは悟っていた。

 ここで今回はいつもとちょっと違った22号続き ミニミニ劇場をお送りします♪



 数日後に結婚式を控えたイシュタルさまはこのところご機嫌ナナメだった。
おねーさまっ!と慕っていたアレキサンドラもジュダと結婚を決め、
女神のように自分を崇拝していたルサファもネフェルトのボインに悩殺されそうだ。
「まったく! 何よっ! アレキサンドラ姫もルサファもあんなに
私のこと大好きだって言ってたのに! 簡単に心変わりしちゃってっ! 
もう、人の心なんて信じられないわ・……」
 というように、イシュタルさまは人の心の移り変わりの早さに胸を痛めていた。
 ――でもね、イシュタルさま。あなただって氷室君はどうしたの?(笑)


ネフェルトに寝込みを襲われて真っ赤になり体も興奮してしまったルサファ。
「ちょっと脈アリ! まんざらでもなさそうね!」
 顔を赤らめたルサファを見てネフェルトはそう思った。
 しかし当のルサファは・・・・・・?
「ネフェルト姫、ラムセスの妹姫だけあってよく似てらっしゃるなぁ。
本当の心の内を言うと、エジプト編以来、私の心はラムセスにあるのだ……。
嗚呼、あの逞しい蜂蜜色の胸板。鍛え抜かれた体……想像しても鼻血がでそうだ。
嗚呼、ラムセスさま!」
 ネフェルトを見て顔を赤らめたのは、彼女が兄に似ていたからであったのだ。(笑)


「はじめまして、兄上ですね」
 ジュダにそう挨拶したのはアレキサンドラ姫の弟レオだった。
 義兄上と呼ばれたジュダは顔を真っ赤にして照れくさそうにした。
 それからレオは一人になって……。
「嗚呼……義兄上。なんというお美しいお方なんだ。あの絹のように細い金髪。
整ったお顔……。あんな方が兄上なんて惚れてしまいそうだ……」
 早くもアレキサンドラ、ライバル登場か!?(笑)


「新ミタン二王国第一王子マットゥアラです」
 挨拶したのは黒ちゃんのニックネームを持つ黒太子の息子マットゥアラ。
 なんとラムセスの赤薔薇に対抗してか? 黒薔薇をバックに登場。
 天河もどんどん薔薇づくしになって嬉しい薔薇ムセス友の会会長である(笑)。
 がんばれマットゥアラ! ラムセスの次のヒーローは君だ!


 元老院から指名手配されているナキア。黒い水を使って人を操り、
自分の意のままに人々を動かす姿は、まるで海闇の流水を思わせる。
なんだかナキアは流水の来世・・・・・・いや、時代的には前世のようだ。
 何でも思うがままに人の心を操った流水。しかし一番欲しかった最愛の人克之は
最後まで手に入らなかった。流水を思わせるナキア。やはり行く末は明るくない……。


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