***12号続き***

続きパロU ココにあります。

 皇太后の野心の元凶は自分。心の奥底でわかっていたことだが、
イルとユーリの立ち話を聞いて、ジュダはある決心をした。
 母ナキアの調合した魔力の水のある隠し部屋に入り、数え切れない瓶の中から、
飾り気のないシンプルな瓶を手に取る。じっと瓶を見つめるジュダ。震える手に力を入れて、
勇気をふりしぼって一気に飲み干した!
 果たして瓶の中身の水は?

 下の6つからお選びください。(グラスのアイコンをクリックしてね)

           
薔薇色の水
(赤ワイン風)
薔薇色の水
(ロゼワイン風)
  緑の水   紫の水   青い水   白い水


<薔薇色の水(赤ワイン風)>

 ジュダの手に取った瓶の中身は薔薇色の水(赤ワイン風)だった。
 薔薇色の水。薔薇と言えば……。
 本誌に姿を見せなくなって久しいラムセスさまのことである!
 飲み干した瓶の中からムクムクと煙が出てきて、赤ワイン色の薔薇を
背負ったラムセスが出てきたのである。
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!」
 蜂蜜色の肌が健康的な薔薇男がジュダの前に姿を現す。
「これはこれはエジプトのラムセスさん。どうも、お久しぶりです」
「よお! ヒッタイトのジュダ皇子! 俺は確かにラムセスだが、今回は
魔法の瓶から飛び出た薔薇の花粉でハクション大魔王、薔薇ムセスなんだ!」
 可憐な薔薇を口に加えて、オッドアイの片方でウインクする。
「はぁ、僕もうだめなんです。僕がいたんじゃ平和なヒッタイトは訪れないんです! わーん!」
 ジュダは今の複雑な思いに涙が溢れ、蜂蜜色の胸に飛び込んだ。
「泣くんじゃないぜ、マイハニー。俺がなんとかしてやろう。とりあえず俺の弟子になるんだ。
ほら、この薔薇を背負って口に薔薇をくわえて」
「こ、こうですか?」
 ジュダはラムセスから薔薇男用コスプレグッズを借りて、ラムセスと同じように
薔薇男……いや、薔薇少年になった。
「ほら、落ち込んでないで前を見ろ! 辛くて、嫌なことばっかりの日々が続いても
ずっとどしゃ降りの雨が降り続いているわけじゃない。いつか絶対、晴れる日は来るから頑張れ!」
 ラムセスはジュダの肩をポンとたたいてオッドアイを細くした。
 肩に置かれたラムセスの手は温かかった。こんな薔薇男の励ましでも、
今や頼れる人のいないジュダにとっては嬉しかったのだ。
「あ、ありがとう。薔薇ムセスさん。あなたのいつも前向きな考え、僕見習います!」

 たまには薔薇ムセスも人のためになることをするのである。(本当に?)





<薔薇色の水(ロゼワイン風)>

 ジュダの手に取った瓶の中身は薔薇色の水(ロゼワイン風)だった。
 ナキア皇太后の調合した薔薇色の水。薔薇の麗しき効果により、
自分の欲するものを奪いたくなる媚薬である。
「ぼ、僕の欲しいものは……、僕の大好きなもの……人は……」
 ジュダは人形のような無機質な瞳をしてフラフラと王宮に戻っていった。
「おかえりなさいませ、ジュダ殿下」
 王宮の門番の挨拶に何も答えず、ジュダは宮殿に向かう。
「僕の大好きなもの、大好きな人は……」
 ぶつぶつと怪しく呟きながら、長い廊下を歩く。そのままジュダはカイルやユーリが
いる部屋までいった。
「ジュダ殿下、どうしたの?」
ユーリがジュダを見てやさしく問う。しかしユーリの前を通り過ぎ、そのままカイルの方へ向かった。
「僕の欲しいもの、僕の大好きな人……、それは兄上、あなたです! 僕をどうか正妃に
してください!」
「ええっ?!」
 皇帝側近&側室一同音程の外れた叫びをあげる。当の本人カイルも呆然。
しばしの沈黙があったが、それをやぶったのはヒッタイトのブレイン、イル=バーニであった。
「それはいい! ジュダ殿下なら皇族の身分をお持ちですし、下手に他国の姫を
迎えて鉄の輸出量が増えても困る。ジュダ殿下をカイルさまの正妃としましょう!」
「愛しています。兄上」
 愛の告白をされたカイルの頬がぽっと赤くなった。カイルもまんざらではないらしい(爆)。
「さあさあ、そうとなれば早速、婚姻の準備です。ハディ、リュイシャラ、花嫁の準備は
まかせたぞ!」
「はい。ジュダ殿下ならさぞかし純白のウエディングドレスがお似合いでしょうね♪」
 3姉妹たちはジュダにドレスを着せることを想像するとうれしくてならなかった。
「花嫁のブーケはハディさんにあげますよ」
「まあ、嬉しい! ジュダ殿下!」
 妹に先を越された姉は喜びで目を輝かせる。
「あ、あたしの立場は……」
 未来からきた少女が一人立場をなくしていた。





<緑の水>

 ジュダの手に取った瓶の中身は緑の水だった。
緑の水――中身はナキアが美容と健康のために通販で取り寄せた
青汁だったのである。ジュダはあまりのまずさにバタリと倒れる。
「うーん、まずい! もう一杯!」






<紫の水>

 ジュダの手に取った瓶の中身は紫の水だった。
水を飲んだショックでバタリと倒れたジュダ。しばらくすると、ピクピクと指が動き始めた。
 ムクリと起き上がったジュダ。なんだか様子がおかしい。体がブルブルと震えている。
瞳が紫に光り始め、人間から豹の姿に変わり始めたのだ。
 紫の水――パープルアイ。
 ナキアの来世は闇パの曽根原薫子。前世から変身人間の研究を密かに
していたのである。
 金髪を持つジュダは、美しい金の豹に変身した。







<青い水>

 ジュダの手に取った瓶の中身は青い水だった。
青――青といえば海の色。ジュダの姿はそのまま薄くなり、
すべての生物の故郷であると言われる海に還っていった。
人魚姫のように、海の泡になってしまったのだ。
 ジュダは、過去から未来へ永遠に世界をさまよい続ける海の泡となり、
静かに人類を見守っていくことになるであろう。
(ああ、一番悲しい)










<白い水>

 ジュダの手に取った瓶の中身は青い水だった。
白い水といえばコミックスの2巻でユーリが飲まされた仮死状態になる水である。
「ジュダ!」
「ジュダ殿下!」
「わたくしのジュダー!」
 カイルやユーリ、ナキアをはじめ、ジュダの死にみんな涙を枯らした。
 数日後、ジュダの葬儀が行われることとなった。
 ジュダに最期のお別れをいうときになって、急にジュダの棺がガタガタと動きだした。
 バターン! 
 棺の中から生命を取り戻したジュダが起き上がった。
「我は死の国より蘇った皇子じゃ! 皆の者、我に従わねば、天から呪いがたたるぞよ!」
 ジュダの周りには黒いオーラがメラメラと燃え、目はつりあがり、絹のような金髪は
メドゥーサのように蛇となり恐ろしさがあらわになっていた。
 カイルもユーリも天の呪いには適わないと判断し、すべてジュダに従うことにした。
事実上、皇帝の座はカイルからジュダに譲られることとなり、新皇帝として即位することになった。
「フフフ。死神になってしまったジュダだが、とにかく結果として私の思うとおり
ジュダが帝位についた。大成功! 次号からは『天はジュダの呪いのほとり』じゃ!」
 ナキアは嬉しくてスキップしてしまいそうであった。



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 少コミを読んだ直後のねねの心境。
「続きパロより何より続きが読みたい!」
 きっと皆さんも同じ思いだったと思います。
 それとイルが「2、3人証人をでっちあげて……」と何か知ってそうな
そぶりでしたね。
「えーい! イル、話せ、話すのじゃぁ〜!」
 とページの外からイルの首をしめたい気持ちでした(爆)。
 今回のカラー扉絵。黄緑の似合うカイルとユーリの仲むつまじいカラー
ではありませんか。まさかこのカラー扉絵が天河コミックスの
最終巻の表紙では……。もうラストが近い? 悲しいっ!(T_T)
 篠原先生、最終巻の裏表紙は是非ラムセスにしてください。
ねね最後の思いです。できれば薔薇付きで……(大爆)。
バキッ!!( -_-)=○()゜O゜)アウッ!

ではでは皆様、最後まで天河を見守りましょう! 
薔薇ムセス会長ねね

薔薇ムセス友の会会員募集中!(活動予定なし・爆)


続きパロU

 「ジュダ殿下は本当に先々帝の子か?」
 元老院の役員の一人が王宮中の疑問をナキアにぶつける。
だか、ナキアは自信満々にジュダは正当な皇位を継ぐものだと断言する。
 この時代に血液鑑定なんてないし、絶対にバレないという自信からか? 
それとも帝位に執着する執念がそう言わせているのか? ユーリにとっての
不思議の一つであった。
「ナキア皇太后、あなたも諦めの悪い方ですな!」
 声のほうを振り向くと、ポニーテールの似合う王宮書記官、イル=バーニが
無表情なマネキンのごとく立っていた。
「どうしたの? イル=バーニ、何か考えでもあるの?」
「ええ、日ごろ私のやっている研究の一つに親子鑑定の面白いデータが
あるんですよ。親子では『鼻の穴のかたち』と『耳の穴のかたち』はとてもよく似る、との
データが統計上出ているんです。ナキア皇太后、親子鑑定のためにちょっと鼻の穴を
見せてもらえませんか?」
 イルは腰を低くしてナキアの鼻の穴を覗こうとする。
「なんと無礼者な!私をだれと心得る!」
 ナキアは右手で鼻の穴を隠しながらガタンと椅子を立ち上がる。
「陛下、どうか鼻の穴をお見せください……」
 元老院議長のアイギルも近づいてきた。
「お前らなどに私の鼻の穴は見せん!」
「義母上、疑いを晴らすためにも鼻の穴をお見せになった方がよろしいですよ」
「おねがい、ナキア皇太后! 鼻の穴を見せて!」
 皆、腰をかがめてナキアの鼻の穴を覗こうと必死であった。
 
 ――ヒッタイトとバビロニアに戦争が起こる日も近い……。(爆)

☆鼻の穴と耳の穴の話は学生のとき、法医学の先生に聞いた本当の?話

さんくす♪え〜げるさん