1号続き



 ナキアの剣の盾となったのは、ルサファだった。
ユーリのタワナアンナへ立后する姿が見れぬことが残念……と言い残し、
ユーリの悲痛な叫びとともに、ルサファは天に昇ってしまった。
 一方、母の刃を逃れたジュダ。これ以上、母親を放って置けないと決心し、
実の母に剣を向けた。ナキアも「自分を止めたければその手で殺せ」と言い切り、
ジュダは世界で一番強く血の繋がっている人物に剣を向けて飛び込んでいった。


「母さまっ!」
 サラサラの金髪を揺るがせ、たった今、皇位継承権を放棄した皇子は
実の母に剣を向けて飛び込んでいった。
 ナキアの体まであと十数センチというところで、ジュダの剣は止まった。
息子は母の顔を真剣な表情でじっと見つめる。
「今、母さまを殺したら……」
 ジュダが何か言いかけた。カイルをはじめとするその他のギャラリーたちは、
帝国の一番末の皇子をじっと見つめる。
「今日は12月5日。師匠も走る師走。今、母さまを殺したら……
元旦のお年玉がもらえなくなるじゃないか!」
 瞳を大きく見開き息子は母の顔を見た。
「そうじゃ。今わたしを殺すと正月のお年玉はなくなるぞ!」
「そんなぁ〜!」
 ジュダは握り締めていた剣を床に落とし、そのままがっくりとうなだれた。
「お年玉だけじゃなくて、クリスマスプレゼントもなくなるぞえ?
それもいいのか? ジュダ?」
「それもいやだぁぁぁぁぁ! サンタさんは本当は、父上や母上なんだ。
父上がいない今、僕のサンタさんは母上しかいない。プレゼントーっ!」
 金髪の頭を左右に振り乱し、更に泣きわめいた。
「今公開中のハリポタの鑑賞ペア券も、秘密の場所にしまってある。
わたしを殺すとハリポタがみれないぞ。いいのか?」
「ハリー・ポッターも見たいっー!」
 ジュダは拳を握り締め、天に向かって叫んだ。
「お母さま、そのペアチケット、わたしたちに下さい。
ジュダ殿下、初デートですわよ! わたしと行きましょう!」
 ナキアを『お母さま』と呼ぶ唯一の人物は、アレキサンドラ皇女である。
「小娘っ! これはわたしがジュダと行くために手に入れたチケットじゃ!
渡さぬぞ!」
「若夫婦の仲を裂く姑なんてサイテーよ!」
「ぬわんじゃと〜!」
 ハリポタの鑑賞券をめぐって低レベルな争いが新たに始まった。
 それとは別に、今号でクライマックスを迎えたルサファ。
彼にはコミックス(少コミ)の外だけでなく、宮廷に使える侍女、町の娘など、
コミックス(少コミ)の内側にも実はたくさんのファンがいた。
「ルサファさまぁ〜」
「ううううう、ルサファ副長官!」
「うわーっ、どうしてお亡くなりになったのルサファさまっ!」
 儀式に参列していた娘たちの悲痛の叫びが所々から聞こえていた。
カイルやユーリに忠実に仕え、軍人としての能力を十二分に発揮したその姿は、
彼の部下やまた貴族たちにもよく映っていた。
娘たちだけでなく、様々な者が彼の死を惜しんでいた。
 早速、ルサファの死を悼む者たちによって「近衛副長官を偲ぶ会」を作られた。
芳名と追悼の言葉を書き記す記帳ができた。天に昇ったルサファを惜しみ、
記帳には長い列ができた……。

 ヒーロー投票でもかなりの上位を占めたルサファ。
今回は特別に、コミックス(少コミ)の外からも記帳できるようにしました。
今までがんばってきたルサファに一言おっしゃりたいことがある方は、
是非ご記帳下さい。


*こんな企画ふざけてる。不謹慎。と思われる方は、申し訳ありませんが
回れ右して下さい。ここは続きパロの世界ですので……。


  ご記帳を見る ご焼香する


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ああああああああ、ナキアの背景に薔薇が……。そして最後は薔薇が散ってる……。
篠原先生の最後の最後のサービスなのかしら? サービスってことは
もう天河も終わるのね。うううううう、マジでさみしいっす。
だって続きパロなんてやってしまう、ある意味天河をとことん追いかける
ストーカーですもの!(爆)やっぱり悲しい。でも薔薇だわ。
ルサファは……ヤラレマシタネ。篠原先生の作品は主役級のキャラが
バンバン殺されていきますが、大丈夫と思わせてこうくるとは……。
実はさぁ〜、冬コミの新刊にルサファが生きているものだと思って
1作品書いちゃったんだよねー。それもシリアス。ううううう、新刊がぁ!(泣)
とにかく最後まで天河応援しましょ!