***ネコたちの相談***
BY 金

 

ここはネズミ族のヒッタイト国 ナキアネコの宮のなかで白いナキアと
金色のウルヒが兵たちと話し合っていた。
「おのれ またやられてしまった! 」
「はい 申しわけありません。」
「おのれ カイルめ! ネズミのぶんざいでネコに反抗して
噛みついてくるとは・・・・。」
「お気の毒です ナキア様 とくに小ネズミ ユーリを側室に
迎えてからは彼らは手強くなりました。」
周りにいた兵たちも 次々に訴えだした。
「ほんとうに動きづらくなりました 少しでもネズミどもに 
ちょっかい出しようもならば あの生意気なイシュタルが
足蹴にしますし・・・・。」
「おれなんか アマゾネスのような三姉妹に嫌というほど 
ひっぱたかれたんだぞ〜。」
「ええ〜い やめーい! 私はおまえたちの愚痴を聞くために 
このような事をしているのではないのだ。
ウルヒよ なにか撃退する良い方法はないのか。」
すると・・・なまめかしいネコの鳴き声が響きわたった。
「だれだっ? 」
ウルヒが長い毛を逆立てた。
「おい片目さん 仲良くいこうぜ。高貴なるバビロニア王家の血をひくナキア様 
お初にお目にかかります。」 
薔薇色のネコ ラムセスだ。
「おれ様にいい考えがあります どうか仲間に加えていただけませんか。」
「言ってみるがいい その考えによっては加えてやろう。」
ラムセスは鼻高々に言った。
「ウホン ネズミたちはヒゲを切られると動けなくなるんだ。王宮にいるカイルたち
が眠りについたころを見計らって 
ヒゲをちょんぎれば やすやすと皆生け捕れるって寸法さ。」
「ふむ うまい考えだ。」
「ただしユーリは おれにそのままくれよ あいつはエジプトに連れて帰る。」 
得意げなラムセスに ウルヒは不安がった。
「だが その考え だれが実行するんだ? 」
ラムセスは苦笑を浮かべて言った。
「もちろん ナキア様の忠実なる僕 ウルヒさん あんたしかいないだろうなー 
そうですよねナキア様。」
「・・・・・!」
おだてあげられたナキアは ウルヒに王宮へ忍び込むように命じた。

 そして その夜・・・・
ナキアの宮に一つの影が駆けこんできた。
王宮に忍び込んだものの ルサファたちにヒゲを切りとられたウルヒだった。
「ナキア様 申しわけありません! 計画を失敗させてしまいましたー。」
だが宮は 物静かだった。
「あっ! 」
ウルヒの鼻に とろけるような香りがした。
「マタタビだ! 」
気を失ったウルヒにネズミたちの手がのびていった。

 次の日 神殿の広場でネコたちがつながれていた。
皆ヒゲを切られて ぐうすかと酔っぱらって眠っている。
「ああ〜 ナキアもウルヒも これで一巻の終わりだな〜 
ちぇっ せっかくユーリを手に入れられると楽しみにしていたのに・・・・ 
敵も同じ考えだったとはな〜。」
うまく逃げのびたラムセスは そうぼやきながら馬をエジプトに向かわせていった。